以下は、Cubism Modelerを利用してモデルを制作するクリエータ向けのチェック項目です。
ステップ1 原画、ラフを用意し、稼働範囲の仕様を決める
■基本となる向きの原画(着色済み) ※必須
レイヤー分けされていると作業時間が短縮できます。
■稼働範囲の仕様 ※必須
上下左右にどの程度動くか
表情はどの程度まで変化させるか
体を動かすか
■向き、表情等などのラフ画像
キャラクターの向き、表情、動きなどの外見を指定するための画像があると
モデル化が効率良く行えます。
初級者はLive2D Masterと打ち合せにより方針を決定します。
ゲームなどで動かす場合、アバターとして動かす場合などそれぞれ特有の制約があります。
(但し、編集過程で必要に応じて変更しても構いません)
他のモデルデータと揃えて、使い回せるようにする必要があります。
ステップ2 画像の切り抜きと、書き足し (@Photoshop)
画像を Photoshopなどで切り分けてレイヤー化し、隠れていた部分を加筆します。
■画像サイズの決定
原画の切り抜きは、原画のサイズを保って行います。
但し、原画が小さすぎる場合は、予め高品質の画像拡大処理などを行います。
iPhoneなど480x320程度でバストアップで描く場合、1024x1024以上の原画を推奨します。
動画として書き出す場合は、2048x2048以上の原画サイズを推奨します。
■切り抜き
動きを表現しやすい単位で切り分け
チェック項目
□切り抜き時に線が細っていないか? <できるだけ原画通りに線を保つ必要があります
□切り抜きの境界に色が残っていないか? <境界や透明部分にゴミ等が残っていないか確認してください
■隠れた部分の加筆
キャラクターを動かした場合に、原画には書かれていない部分が見えるようになる場合があります。
通常、背面にあるレイヤーに加筆が必要です。
首(アゴで隠れた部分)、髪(他の髪で隠れた部分)、
■目のかぶせ画像の用意
目玉を隠すために、目の上まぶたと下まぶたの画像を作る必要があります。
まばたきと、上下左右に動いた時にどのように隠れるかを意識し、肌をうまく被せる必要があります。
キャラによっては下まぶたが不要になる場合があります。
■口のかぶせ
口の中を隠すために、口の上側、下側にかぶせ画像が必要です。
キャラによってはどちらかが不要になる場合もあります。
■陰影の扱い
顔の輪郭の影(立体感)、髪の毛が肌・服におとす陰、服の陰などを意識して加工する必要があります。
基本的な陰影の表現は、2通りのパターンがあります。
A.影色そのものを不透明で被せる方式
B.濃いめの影色を半透明で被せる方式
■腕の切り分け部分 (特にパーツ切り替えのある場合)
腕(ポーズ)を数パターン用意して切り替える場合は、境界部分をスッパリと切りわけた場合は切り替えで半透明表示されたときに断面が目立ってしまう場合があります。
そのため、体と腕の切り分け、肘の関節の切り分けなどの部分は、断面をスッパリと切り分けるのではなく、少しぼかして重複させるように加工するようにします。
ただし、輪郭線や服の皺などの部分で切り分けて重複部分を取らずにピッタリ合わせている場合はぼかす必要はありません。(通常は多少ズレても問題ないように多少重複させるケースが多くなります)
■ゴミの確認
背面に黒、白、赤、青など特殊な色のレイヤーを起き、
- テクスチャの境界にゴミが残っていないか
- 間違って透けている部分がないか
を確認して下さい。
ステップ3 テクスチャ用画像の用意 (@Photoshop)
■テクスチャサイズ
テクスチャは必ず2のn乗の正方形である必要があります。
例) 256x256 、 512x512 、 1024x1024 、 2048x2048
■テクスチャの枚数
テクスチャは推奨1~3枚、最大4枚に収めます。
服を切り替える場合は、できるだけ1つの服をテクスチャ1枚に収めるようにします。
髪の毛もできるだけ1つのテクスチャに収めます。
※FREE版は 1024x1024 サイズが1枚です。
■どうしても1枚に収めたいが、収まらない場合の対処方法 (服替えのテクスチャなど)
対処方法例
A.テクスチャ1024などのサイズに収まるように部品を縮小する
B.テクスチャを一回り大き目の1280などで作りPSDファイルとする。
PhotoshopからWEB用に保存で、PNGの1024x1024で書き出し、
Modelerで利用する。
B案の方が、元素材が劣化しないため推奨されます。
出来上がったLive2Dモデルを実機で動かした時などに、テクスチャの周辺にフチができて汚く見えることがあります。
テクスチャをツールにかけるタイミングは、モデルの製作開始時にはまだ、製作過程でテクスチャを差し替えることがあると思いますので、
モデルが完成してテクスチャを差し替える必要がなくなった段階で、ツールにかけると良いでしょう。
もしくは、mocファイルと一緒に書き出されたテクスチャにかけてもOKです。
ステップ4 テクスチャをポリゴン化して配置(@Modeler)
■原画(下絵)の配置
Cubism Modelerを立ち上げて下絵を取り込み、配置します。
ポリゴン化した画像は必ず下絵と同じ位置に配置するため、下絵パーツに入れて、
表示・ロックのオン/オフを切り替えて使います。
■ドキュメントサイズの決定
モデルのドキュメント設定で、サイズを決定します。
通常は原画のサイズに合わせます。
■パーツの生成
基本パーツ以外にもパーツ分けした方がいい場合はパーツを事前にまとめて生成します。
パーツの切り替えがある場合は、モーションをつけた後はパーツのIDの変更は基本的にできません。IDを変更するとモーションが使えなくなる可能性があります。
■テクスチャの配置
Cubism Modelerの上部にある「テクスチャ」ボタンを押し、テクスチャを読込みポリゴン化します。
<ヒント>
- 最初は粗いポリゴンを作ってパラメータによる大まかな動きをつけ、後からそのポリゴンを細かく分割していくと少ない編集量で効率良く作業できます。
- パーツを予め選択してからポリゴンを生成すると、ポリゴンの名前がパーツ名に合わせられるため効率的です。
- なるべく正三角形に近い形になるようポリゴンを作って下さい。
- やわらかい変化が必要な個所は、細かく分けると変形しやすくなります。
(ex:まぶたや輪郭など)
<機能・テクニック>
- altを押しながら点をクリックすると点が消えます。線だけ消したい場合は、線の間に点を打ってからalt+クリックをすると、線だけ消えます。
- shiftを押しながら点を打つと、一つの点から連続してポリゴンを切ることができます。
<チェック項目>
- ポリゴン化して配置した画像と、下絵がほぼ完全に一致しているかを、下絵の表示をオンオフ切り替えて確認します。
- 全て3角形のポリゴンになるよう線で結んで下さい。
※4角形以上のポリゴンは自動的に3角形のポリゴンに変換されますが、想定しない変換になる可能性があるため、予め3角形のポリゴンにすることを推奨します。 - ポリゴンの外周は、絵の端よりも広く囲み(1024のテクスチャで最低3ピクセル程度)、外周部分は必ず透明になるようにします。ポリゴンの外周に少しでも色がのっていると、実機で表示した場合にチラツキが出る可能性があります(ポリゴンのエッジはアンチエイリアスされないことが多いため)
<図を挿入予定>
ステップ5 パラメータの用意(@Modeler)
必要なパラメータを登録し、不要なパラメータを削除します。
他のモデルデータと揃えて、できるだけ使い回せるようにする必要があります。
初期のモデル製作の段階ではIDを自由に変更できますが、モーションを設定した後は、パラメータID(PARAM_XXXX)を変更しないで下さい。日本語の名前は変更しても大きな問題はありません。
ステップ5−2(仮) パーツの用意(@Modeler)
必要なパーツを用意し、不要なパーツを削除します。
腕の切り替えなどがある場合は、モーションを設定した後は、パラメータID同様、パーツID(PARTS_XXXX)を変更しないで下さい。日本語の名前は変更しても大きな問題はありません。
パターン化された基本的な座標系を予め生成します。
1.キャラクター全体の上下左右の移動 / 回転座標系 on 基準面
歩き(ローリング?)などを行うために、キャラ全体が上下左右に動くように設定します。
1.キャラクター全体の体の座標系 / 回転座標系 on 基準面
体の座標系
2.
呼吸の座標系
ステップ7 ポリゴンに動きをつける (@Modeler)
配置した要素(ポリゴンまたは座標系)を、パラメータにあわせて動くように設定します。
<ヒント>
- 1つの要素に対して、パラメータは0〜4つまで関連付けることができますが、できるだけ0〜2つまでに抑えます。
※5個以上のパラメータと関連づけた要素はiPhoneなどのLive2Dエンジン上では表示されません。
- 要素にいくつのパラメータが結びついているか確認したい場合は、要素を選択した状態で、「パラメータ」パレット上部の「絞り込み」にチェックを入れると、関連付けられたパラメータだけが表示されます。
- 1つの要素に3つ以上のパラメータを関連付けたいと思ったときは、親の座標系にパラメータを設定することで目指す表現ができないか検討して下さい。そのために新しい座標系が必要になった場合は追加して下さい。
- 1つの要素に多くのパラメータが関連付けられるとパフォーマンスが低下します。どうしても3個以上のパラメータ関連付けが必要になる場合もありますが、多用しないようにして下さい。
<チェック項目>
- 1つの要素に対して関連付けられたパラメータが0〜2個に収まっているか。
ステップ8 モデル完成時のチェック (@Modeler)
■パラメータIDの共通化
複数のキャラクターを作成する場合、各キャラクターのパラメータIDを共通にしておく必要があります。共通化によってアニメーションの使い回し、物理演算の共通化などが可能になり作業量を軽減できるほか、実効速度の高速化につながる場合があります。
同時に何人かで、複数のキャラクターを作成する場合は各キャラクターのパラメータをなるべく揃えて作成する必要があります。
製作過程で仮のパラメータID (PARAM_XXXXXXXX)で作業して後で変更することは問題ありませんが、アニメーション、物理演算をつける前に共通化する必要があります。アニメーションをつけた後は基本的に変更しないようにして下さい。
■テクスチャの順序(確認)
服変え、髪型変えなどがある場合は、テクスチャの順番を、髪、服、などをまとめておく必要があります。
「テクスチャ編集」の一覧状態で、<>ボタンを押すことで順序を変更し、以下のように並べて下さい。
ダメ: [髪01] , [肌] , [服A] , [髪02] , [服B] , [服C]
OK : [肌] , [髪01] , [髪02] , [服A] , [服B] , [服C]
【順序を入れ替える理由?】
通常、服替えなどの場合は、服ごとに別のモデルとして書きだすことで、余分な服データを含まない軽量のモデルとして書きだします。その際に、余分な服をスキップし以下のような順序のテクスチャが生成されます。順番が揃っていると、[肌]テクスチャのようにtexture_00.png としてどちらのモデルでも使いやすくなります。
texture_01.png [髪01] texture_hair01.png などと変更して利用
texture_02.png [服A] texture_body01.png などと変更して利用
texture_01.png [髪02] texture_hair02.png などと変更して利用
texture_02.png [服C] texture_bodyC.png などと変更して利用